【美術館レポ】フィン・ユールとデンマークの椅子展@東京都美術館をレポ。

2022年7月23日(土)から10月9日(日)まで開催される東京都美術館の企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」。

デンマーク家具の歴史をたどりながら、フィン・ユールのデザインの魅力を堪能できる内容となっています。

今回の記事では、オープン前に行われたメディア向け内覧会の様子を詳しくレポート。

  • スケジュール
  • 場所
  • 内容と見どころ

について知りたい方はぜひ最後まで記事を読み進めてみてくださいね。
 

Kaeko

椅子のデザインから、自邸の設計や店舗・オフィスのデザインまでフィン・ユールが生み出した数々の作品に触れることができます。実際に椅子に座って心地良さを味わえるエリアもありますよ〜!


 

※ HEY SISTERは「フィン・ユールとデンマークの椅子展」の内覧会を取材させていただきました。

東京都美術館の企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」

「フィン・ユールとデンマークの椅子」のスケジュール

会期2022年7月23日(土) ~ 10月9日(日)
休室日月曜日、9月20日(火)
(ただし、8月22日(月)、29日(月)、9月12日(月)、19日(月・祝)、26日(月)は開室)
開室時間9:30~17:30、金曜日~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料一般 1,100円 / 大学生・専門学校生 700円 / 65歳以上 800円
場所東京都美術館 ギャラリーA・B・C

 

「フィン・ユールとデンマークの椅子」は3部構成

第1章「デンマークの椅子」

第1章の「デンマークの椅子」は、デンマークデザインの背景や歴史に迫ります。デンマークといえば、”世界でもっとも幸福な国”、”ヒュッゲ(居心地の良い空間や楽しい時間を意味する)”というイメージがありますよね。

デンマークデザインの背景には、まず生活に基本をおいた人々の幸せや豊かさ、よりよい暮らしを目指すというシンプルな価値観があります。私自身、北欧家具に惹かれる理由はここにあったんだな、と改めて思いました。
 

デンマーク家具デザインを先導した ”デンマークデザインの父” である、コーア・クリントの作品がずらり。クリントは椅子だけでなく、それを使う人間の寸法や動作など、人体と家具の相関関係についても研究していたんだとか。
 

第1章の後半ではデンマーク家具の黄金期に活躍したデザイナーの名作椅子がずらりと並べられており、圧巻!1940年代から60年代にかけて、アカデミーで学んだ若い世代のデザイナーや建築家であったオーレ・ヴァンシャー、ボーエ・モーエンセン、ハンスJ.ウェグナー、アルネ・ヤコブセン、ポール・ケアホルムなどの作品を間近で見ることができますよ。
 

ポール・ケアホルム – ハンモックチェア(PK24)1965年
ボーエ・モエンセン – ハンティングチェア 1950年
ヘンニング・ラーセン- アームチェア No.9230 1967年
ヨーン・ウォッツォン – ラウンジチェア(プロトタイプ)1968年
アルネ・ヤコブセン – スワンチェア 1958年

デンマークモダン家具は’木’で作られるているのが最大の魅力。第一次大戦後の1927年以降、家具デザイナーの登竜門として発展した家具職人組合の展示会から多くの名作椅子が生まれました。
 

第2章「フィン・ユールの世界」

エスカレーターで次のギャラリールームへ。第2章では、いよいよ本展覧会のタイトルにもなっているフィン・ユールについて深掘りしていきます。彼のルーツや仕事、名作椅子が生まれた背景、自邸について学ぶことができます。
 

デンマークのモダン家具の黄金期に活動したデザイナーの中でも、一際美しい椅子をデザインしたことで知られているフィン・ユール。その時代のデザイナーは家具の専門学科や家具工房の出身が多いですが、フィン・ユールは家具デザインを独学で学んだというから驚きです。
 

ハンス(ジャン)・アルプ、地中海群像、1941/65年 東京国立近代美術館蔵

彼が生み出した椅子は、”彫刻のような椅子”とも評されます。

「形を生み出す家具職人の能力は彫刻家のそれと同じである。椅子は単なる日用品ではなく、それ自体がフォルムであり、空間である」

という彼の言葉からもわかる通り、彫刻から大きな影響を受けていたことが分かりますね。これを知った上で、彼の作品を見るとディテールの美しさをより理解できます。
 

私も実際に行ってみたいと思っていたデンマークにあるフィン・ユールの自邸。現在も一般公開されているのでいつか行くことを夢見ながら、今回の企画展で世界観を堪能できたのは嬉しかったです。自然とインテリアが調和した空間、人が心地良く暮らすためのヒントを教えてくれました。
 

デンマークにあるフィン・ユール邸

家具と美術作品、自然がつながって調和した空間を理想としていたフィン・ユールの思いに共感しました。

 

第3章「デンマーク・デザインを体験する」

第3章は、実際に椅子に座ることができる空間となっています。直接見て、触れて、座ることで、デンマーク・デザインを体験できるのが本展覧会の魅力!
 

フィン・ユールは椅子についてこう語っています。

「そこに座る人がいなければ、椅子はただの物にすぎない。人が座ってはじめて、心地良い日用品となる」

実際に座ってみなければ椅子は家具として機能しないって、確かにそうですよね。早速座ってデンマーク・デザインを堪能してみましょう。
 

「このカーブのおかげで背中がリラックスできるな〜」「この木の質感、温もりを感じられて良いよね」、と感想を語り合いながら私も色んな椅子に座ってみました。

フィン・ユールをはじめ、さまざまなデンマークの有名デザイナーの感性を味わえる貴重な機会なので、ぜひ皆さんも体感してみてくださいね🛋

 

まとめ

今回は東京都美術館で開催中の企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」の様子をレポしました。

北欧家具はシンプルだけど機能性が高く、どんな空間にも馴染む普遍的なデザイン。居心地の良さを大切にし、それを上手く形として実現しているのが魅力です。

この展覧会を通して自分自身の日常を振り返り、快適な暮らしについて改めて考えることができました🌿

実際に椅子に触れ、座って体感できる空間があるのが本企画のポイントです。また新たな北欧家具の魅力に気づくはず。ぜひ皆さんも足を運んでみてくださいね!
 

会期2022年7月23日(土) ~ 10月9日(日)
休室日月曜日、9月20日(火)
(ただし、8月22日(月)、29日(月)、9月12日(月)、19日(月・祝)、26日(月)は開室)
開室時間9:30~17:30、金曜日~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料一般 1,100円 / 大学生・専門学校生 700円 / 65歳以上 800円
場所東京都美術館 ギャラリーA・B・C
公式HPhttps://www.tobikan.jp/finnjuhl