昨年、海外のブロガーやジャーナリストたちの間で「インスタグラムのPR投稿に#sponsoredや#PRをきちんと明記すべきか」をめぐって議論が繰り広げられました。
私はその白熱する論争を興味津々で見ていたんですが、日本でも最近「これはステマ?」と思われるPR投稿が目立ってきたので、改めて私なりの意見を書いてみようと思います。
#PRは明記するべき?
海外では、以下の2点が論点として挙げられていました。
- 広告であることを伏せて宣伝してほしいという企業がいること(=ステマ)
- そのオファーに対して、軽い気持ちでOKしてしまうインフルエンサーたちが多くいること
これは、最近の日本のSNSマーケティングでもあてはまる話だと思うんです。
今では、インスタに投稿する写真の撮り方まで事細かに指定する企業もいるし、インスタの写真の9割がPRっていうインスタグラマーも結構見かけるので、嘘と本当の情報が区別しにくくなっていますよね。
では、企業もインフルエンサーも、両者の間で金銭(ギフトなども含む)のやりとりが発生している場合、そのことをきちんと開示する義務があるのか?
私はあると思います。
ネットに情報があふれすぎているせいで、本当に信用できる情報を見つけることが難しい時代だからこそ立場を明らかにするべきだし、それがオーディエンス(=フォロワー・消費者)に対する誠意だと感じるからです。
HEY SISTERでの【PR】のルール
HEY SISTERでPRをお受けする場合は、本文冒頭(または末尾)できちんと関係性を明記することにしています。
具体的に以下のような状況の時にこのポリシーを適用しています。
- 報酬をもらって記事作成する場合
- 商品やサービスの提供を受けて記事作成する場合
- 記事作成のために製品や権利を期間限定でお借りする場合
このようにスポンサー企業との関係を明らかにする理由は、さっきも言ったように透明性と信頼性を維持するためです。
情報過多で本当に信用できる情報を見つけるのが難しいからこそ、立場をクリアすることには意味があるはず。
ちなみに「PRであることを書かないで欲しい」というお願いを受けた場合や、HEY SISTERの世界観に合わないと判断した場合には丁寧にお断りするようにしています。
「ノー」と言う勇気も必要
まずは、企業がそのやり方を見直す必要があると感じますが、依頼を受ける側もしっかり考えてから返事をすべきです。
また、芸能人やモデルだけでなく、一般人のインフルエンサーたちも「ステマ」のリスクと隣り合わせであることをきちんと理解しておくことが肝心で、自分の価値観や世界観に合わないなら、断る勇気も必要なのではないでしょうか。その勇気は結果として「信頼」につながりますからね。
もしPRを引き受けるなら、できる限りいつものコンテンツと変わらない質とオリジナリティーをキープする。
そうすることで、自分、フォロワー、依頼した企業すべてにベネフィットがある理想的なWin-Winの関係が生まれるのではないかと思います。
このように、インフルエンサーを使ったPR合戦が過激化する中で、NYの人気メディア「Man Repeller」の創始者であるLeandra Medineは、自身のサイトで扱うコンテンツの質を維持するため、企業からのオファーは断ることの方が多いと公言しています。
人気ファッションブログ「Park & Cube」を立ち上げたShini Parkもまた、企業からの依頼は厳選したものだけを引き受けているそうです。
この2人に共通していることは、やっぱり「コンテンツの質」と「信頼性」を何よりも大切にしているということ。
これからさらに加速していくであろうオンラインビジネスの世界では、「質」と「信頼性」が今まで以上に重要なキーワードになっていくのかなと思います。
ってこんな記事を書いていたら、4月19日にFTC(米連邦取引委員会)がインスタのインフルエンサーたちに対して、ステマをしないように警告したようです。今後はもっとちゃんとしたガイドラインというのができていきそうですね!
皆さんは、最近のPR合戦について、どう思いますか?