痩せている=美しいでいいの?日本のボディポジティブの未来について考えてみた

皆さん、はじめまして!プラスサイズ・リアルサイズ向けメディア「GLAMOUR DODU(グラム―ドドゥ)」を運営しているADAです。

いきなりですが、「プラスサイズ」「ボディポジティブ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

プラスサイズとは基本的にファッションにおける日本の標準的な洋服のサイズS、M、L以上のことを指し、ボディポジティブは画一的な美の基準から解放され、あらゆる外見や体型を肯定するムーブメントのことを指します。

少し前に「シンデレラ体重」なんて言葉が流行ったこともあり、日本でもボディポジティブムーブメントが小さいながらも広がり始めています。

そこで今回の記事では、プラスサイズ向けメディアの運営者という立場から日本のボディポジティブのこれからや、海外との違いについて考えてみたいと思います。

メディア運営で見えてきた日本と海外のプラスサイズカルチャーの違い

私が運営している「GLAMOUR DODU」は、インスタグラムを中心にプラスサイズ・リアルサイズに関する最新の海外トレンドをお届けしています。日本語と英語の同時展開で日本の情報を海外にも発信中です。

「GLAMOUR DODU」の最大の魅力は毎月恒例のテーマ投稿。

これは毎月運営側が決めたテーマに沿ったコーディネートや画像の投稿を募り、ハッシュタグを利用してみんなで作り上げていくプロジェクトで、オーストラリアの「Aussie Curves」というメディアにインスパイされて始めました。

「GLAMOUR DODU」の活動を続けるにつれて毎月の投稿数は増えていき、今では韓国や台湾、ベトナムなど、海外からの投稿してくれている人もいます。そこで、日本と海外のプラスサイズさんの写真を比較してみたところ、興味深い違いに気づきました。

海外のプラスサイズさんたちはしっかりポーズを決め、笑顔で自信に満ちた写真が多いのに対し、日本のプラスサイズさんたちは全体的に自己主張が控えめ。コーデは見せるけれどスタンプや加工で顔をぼかしたり見えないよう切り抜いている写真が多く見られました。

なぜこのような違いが出てくるのか、その理由を探るために海外のプラスサイズさんの写真を積極的にアップしてみることに。

その結果、DODUのテーマ投稿に参加してくれている日本のプラスサイズさんたちの写真にも徐々に変化が現れ、自信が感じられるようになったのです。

顔を隠したり笑顔が少ないのは自信の無さが原因だったのだと確信したのと同時に、お手本にできるファッションアイコンがいればすぐに取り入れる行動力があることもわかりました。
 

日本のプラスサイズカルチャーはまだ狭く、浅い。だからこそ一から創り上げていくことができる

欧米と比べると移民が少なく、個人の外見の差がそれほどない日本のプラスサイズカルチャーはまだ狭く、浅いです。「プラスサイズ」「ボディポジティブ」という言葉は少しずつ浸透してきてはいますが、ピンとこないという人もまだまだ多いはず。

昔から太っている人はたくさんいたはずなのに、なぜ日本のプラスサイズカルチャーは他国と比べると遅れているのでしょうか?

その理由は、マイノリティな人たちが生きづらい日本の社会の在り方にあると私は考えます。そのせいで “プラスサイズ” に当てはまる人たちが意識改革のために何かアクションを起こしたいと思っていても「理解されない」と感じてしまうのです。

さかのぼってみれば、日本の美の基準はテレビが発展した1900年代からほとんど変わっていません。メイクやファッションは、欧米のトレンドに合わせることができるのに、美しい身体の在り方の基準はオールドスクールなところが多いですよね。白くて細い手足 、小さい顔やお尻、キュッと締まったウエストこそが美しいと多くの人の脳に刷り込まれてしまっています。

しかし、今はSNSの普及で世界中の誰もが自分のプラットフォームを持ち発信していける時代です。だからこそ、新しい美の基準を提示して日本のプラスサイズカルチャーを創り上げることができるはず。

海外の常識を取り入れながら模索し、プラスサイズだということを恥じずにファッションを全力で楽しんでいる姿を発信することは、さらなるボディポジティブ・ムーブメントの発展に繋がると信じています。
 

ボディポジティブを広めるには、プラスサイズ以外の人の理解も必要

日本でボディポジティブムーブメントを加速させるには、プラスサイズ当事者だけではなく、プラスサイズではない人の理解やサポートも実はとっても重要。

たまにプラスサイズ界隈をのぞいて「こんなに太っていて大丈夫 なのか」「自己管理ができていない」と言う人がいますが、太っている理由は人それぞれ違うということをまずは知ってもらいたいです。

例えば、甲状腺機能の低下やホルモンバランス、先天性疾患、投薬などが体重増加の原因としてあげられます。これらの疾患は誰にでも起こりうること。生まれ持った障がいや疾患に限らず、人によって体質が異なるのは当たり前なのだから、必ずしも太っている=自己管理ができていない、というわけではないのです。

「DODU」の目標はどんな外見・体型であっても美しいということを伝えていくこと。プラスサイズ・リアルサイズ向けのメディアではありますが、それ以外の人たちにもこのメッセージを届けたいと思っています。そしてみんなが私たちのインスタグラムに投稿してくれることが理想。

プラスサイズ当事者である私自身は、今の自分の体型に満足しているし人生を楽しんでいます。

とはいえどんなに自己肯定感が持てたとしても、悩みや苦しみが完全になくなったわけではありません。けれど、ネガティブであることは必ずしも悪いことではないと思います。

なぜならネガティブな感情から得られることは、ポジティブなこと以上に多いからです。

以前、日本のプラスサイズさんたちに「ポジティブでいることが大事。自分を愛するためには自分の嫌な面を見つめ直すことだ」と伝えたら、「そんなの綺麗事だ!」「デブでもハーフだから得してるんだ」という言葉が返ってきたんです。

その時はすごく傷ついて「DODU」の活動をやめたいとすら思いましたが、マイナスな気持ちになったことで、自分が前向きでいることの大切さに気づくことができました。

負の感情に押しつぶされそうになっても自分を責めないで、どんな自分も愛してあげることがどれほど生きる活力になっているか、「DODU」の活動のおかげでようやくわかってきた気がします。

もしこの記事を読んで 何か新しいことに挑戦してみたいと思ったら、一度私たちのインスタグラムやウェブマガジンを覗いてみてください。そしてぜひインスタグラムでハッシュタグをつけて写真を投稿してみてください。皆さんの参加をお待ちしています。

イラスト : ADAさん(@adastoy

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

ADA

オーストラリア・シドニー出身、横浜育ち。精神疾患を患ったことにより大学中退後、3ヶ月のサンシャインコースト短期語学留学を経験。その後介護士として就職するも、日本の多様性の在り方に疑問を持ち退職。2017年からはプラスサイズ向けライフスタイルメディアGLAMOUR DODUを立ち上げ、ボディポジティブアクティビストを名乗りライターとして活動。趣味は美術鑑賞、映画鑑賞、今は家でのんびり本を読んでいる時間が幸せ。